世界一周10日目①〜パレスチナ難民キャンプ訪問

パレスチナ難民キャンプ訪問

こんにちは。トモミです。

 

今回のプロジェクトでお会いする方は衝撃的な発見のオンパレードですが、

特に驚きと緊張感があったのがパレスチナ難民キャンプ訪問。

 

他国に土地を借りて仮住まいをしている立場ということもあり顔出し、音声、名前やキャンプの場所についてもNGとなりましたがぜひ日本人にお伝えしたいことを許可頂いている範囲でお伝えしたいと思います。

 

パレスチナ難民が発生し、周辺国含め世界中に離散していったきっかけとなったのは1948年のイスラエル建国宣言を受けて発生した第一次中東戦争からと言われています。わかりやすいサイトがありますので興味のある方は以下のリンクもぜひご覧いただけたら幸いです。

 

パレスチナ問題とは(パレスチナ子どものキャンペーンより)

パレスチナ難民の状況(パレスチナ子どものキャンペーンより)

 

上記サイトにもあるように、パレスチナ難民は最長で70年間、多くの人が無国籍状態で難民キャンプで生活をしているそうです。

ただし、一部では逃げ延びた先で国籍を得ている人もいます。特にヨルダン川西岸地区出身者はヨルダンだった時期もあったことからヨルダン国籍を獲得している人もいるとのこと。

 

さて、ニュースで見かける難民キャンプというとこんなイメージではありませんか?

 

もちろん、難民となった直後は上記のような簡単な作りの家に住んだり、テント生活になります。

しかし今回訪問したのは比較的初期のタイミングで難民となり、キャンプを形成したグループでした。

半世紀を越え、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)による支援やヨルダン政府からの理解もあり、近隣の村とさほど様子が変わらないと感じるほど普通の集落に見えました。

 

ただし近づいてみると、壁はレンガ造りのようでしたが、屋根はトタンを乗せて石などでひとまず固定しているような簡単な作り。雨が降った日は雨漏りが激しく、インフラも整っていない関係で排水ができず水が溜まってしまうとのこと。

 

現地スタッフのはなし

このキャンプではまず、現地で支援活動をしている方にお話をお伺いすることができました。

Xさん(氏名を伏せてご紹介しています)

〜パレスチナ難民キャンプでの教育支援について〜

Q:なぜこちらの難民キャンプに来ようと思ったのですか?

A:大学でアラビア語を学んでいた時に語学留学でシリアに滞在したことがありました。大学卒業後は教員として自分の国で働いていましたが、シリア危機のことが、ずっと気になっていました。自分の人生を振り返った時にどうしても気になっているシリア関係の活動をしてみたいと思いました。

ただ、教員はとても安定している仕事で、やりがいを感じていたので、辞めることを決めた後も後悔した時期もありました。親にも心配をかけましたが、今は来て良かったと思っています。

 

結果的にシリア難民支援に直接入ることはできませんでしたが、シリア危機から難民問題は5〜6年と続いて、それに対してパレスチナ難民は何十年と続いています。シリア難民よりも長期化しているパレスチナ難民キャンプではシリア難民支援に活かせる何かを学べるのではないかと考えました。難民の問題は国際問題なので本人たちだけでは解決できないことですし、一個人でできることは限られています。ただ、ここで過ごしてきて何十年も住んでいた土地を離れているパレスチナ難民ですらも祖国に戻りたいと強く願っているのだと強く感じます。福島の原発事故の避難民ももしかしたら同じ気持ちかもしれないと思いました。戻りたくても戻れないという彼らの葛藤を無かったことにしないで、できることをしたいと考えています。

 

Q:来て良かったと思えるようになった理由は?

A:まずは自国を出て、自国や自分の仕事や自分自身を外から新しい視点で見つめなおすことができたことですね。次に、人との出会い、関わりです。

 

Q:ヨルダンのことを日本人に伝えるとしたら?

A:同じ人間なんだな、と感じます。良い人も悪い人もいるのはどこも同じなので。例えば、とてもフレンドリーで知らない人でもいきなり話しかけてきたりするので他人に対する興味が高いと感じます。しかし、一方でゴミのポイ捨てを目の前で見ても周りが注意する様子は見たことがないので、他人に関心がないと感じることもあります。ヨルダンとか日本とか、もちろん傾向はあるだろうけど、その中でひとりひとり違う。カテゴリーでくくって異質なものと見るのでは無く、わかったつもりになるのでは無く、知ろうとして欲しいと思います。

 

Q:難民の方とお会いして人生観が変わりましたか?

A:家族を大切にしている様子を見て、自分の家族のことを大切にするようになりました。もちろん、この難民キャンプに来るまでに心配や迷惑をかけていたり、離れていることもあり家族により感謝をするようになりました。

 

Q:ニュースを見て漠然と中東は怖い、危ないと考えている日本人へメッセージ

A:ニュースを見て危ないイメージを持つのは仕方ないと思います。しかし、私は滞在中危ない目に遭ったこともなく、気をつけたほうが良いことは、地元の人が必ず教えてくれます。日本でも不審者が出たりするなど、意外と日常生活の危なさはどこでもあるし、気をつけるポイントさえわかっていれば安全は確保しやすいかと思います。女性はバスで席を譲ってもらえたりするなど、過ごしやすささえ感じることもあります。

 

Q:Xさんは大きな決断をしてここに来ましたが、キャリアチェンジをすることに対して怖いと思う人に対してメッセージは?

A:怖いと思うのは”失敗するのが嫌だ”と思うからだと思います。私は失敗や後悔を全くしない人生は無いと思っていて、だから失敗してもいいじゃん、と思います。もちろん失敗は今でも怖いけど、今まで生きてきて100%失敗だったと思うことはありません。今を幸せに感じることが少しでもできたら、その幸せは過去の失敗があったこそなのだ、100%失敗だったわけじゃないと思えます。失敗があってもプラスに持っていけること、自分でプラスだと肯定することが大切かもしれないですね。どんな環境でも今置かれた環境を受け入れて、小さな幸せ探しをすることをお勧めします。

 

Q:パレスチナ難民の子供たちへの教育支援をしていて驚いたことは?

A:以前、パレスチナをテーマに絵を書いた時、小さい子供であっても、投石、銃、戦車の絵を描いたのは驚きましたね。1〜10年生が義務教育で6〜16歳が対象となりますが、教室は足りていなくて美術室や理科室も普通の授業として利用したり、体育で使用していない教室を急遽利用することになったり、時間割が当日変更されたりするなど全てがフレキシブルなのも驚きました。校舎は外部支援で建てられているのでしっかりしていますが、1家庭で4人以上の子供がいるのでとにかく子供が多くて場所が足りていません。

 

Q:支援したい人に対してメッセージを

A:支援するための行動を起こすのはとても難しいと感じると思います。いくら現状を知っていても行動に起こすとなると大きなステップがあると自分自身、振り返っても思います。そのような状況でも実は、普通に生活している中で私達が納めている税金の一部が国際機関に寄付されています。コンビニで何気無く何かを買った時には、知らないだけで実はすでに国際支援となっています。大仰に話しましたが、そのぐらい気軽なものとして支援を捉えていただけたらいいかなと思っています。また、周りの人、子供、パートナー、親の心を幸せにすることも一つの支援だと思います。自分が辛い時って周りの人のことを考えられないかと思いますし、自分や周りの人が幸せになることが、その先にいる人々に思いを馳せ、気持ちを重ねる意味でも実は大切なことだと思っています。

 

Yさん

〜パレスチナ難民の方〜

Q:人生の中で大切なことは何ですか?

A:子供達を教育したり養うことね。

 

Q:ここに住んでいる人は好きですか?

A:もちろん。大好きよ。

 

Q:あなたに夢はありますか?

A:たくさんあります。子供をたくさん持つこと、みんなが幸せで喜んでいることね。また、自分たちの生活よりもより良い環境で生きてくれることも。

 

Q:将来ここがどうなったら良いと思っていますか?

A:この国や自分たちの生活がより良くなること。この国というのはヨルダン、パレスチナ両方のこと。どちらも大好きだし、より良くなって欲しい。私はここで生まれたし、育ったからね。

 

Zさん

〜パレスチナ難民の方〜

Q:今の仕事は好きですか?

A:生活をより良くするために必要だし、ここの人が好きだから好きよ。

 

Q:あなたの夢は?

A:家族がより良い環境で生きていけること。家族の幸せ。家族が幸せでいられればそれで充分よ。

 

Q:ここの暮らしは好きですか?

A:家族もいるし、友達もいるし、ここなら家賃がかからないから良いわね。

 

Q:パレスチナのことについて教えてください。

A:私はここで生まれ育ったし、パレスチナを見たことが無いの。父から話は聞いているけれど、私たちの子供たちや孫の世代はここの出身だって思っているわね。ちなみにあなたは何人?どこに国があるの?私はパレスチナ人。私の国はどこにあるの?ヨルダンはこの場所を貸してくれているし、助かっているけれど葛藤はあるわ。

 

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インタビューを終えて

インタビューを通して、一見一つの安定した町に見えた難民キャンプは葛藤の中にいるということを知ることができました。

特に最後のインタビューでは涙を浮かべながら力強く

”ちなみにあなたは何人?どこに国があるの?

私はパレスチナ人。私の国はどこにあるの?”

と語られた時には言葉を失ってしまいました。

 

一方で、インタビューを通じて”家族””家族の幸せ”というキーワードが共通項としてあり

状況が厳しくとも、家族が幸せになることが何よりも大切であり重視していることも印象的でした。

 

仮住まいの場所で自分の考えを表明することについては勇気が必要だったかと思いますが、

張り詰めた緊張感の中でも心の願いや考えについて力強く語って頂けた協力者の皆さんに感謝です。

 

ちなみに難民キャンプでは外国人はとても珍しく、良くも悪くもとても目立ってしまうのですが

キラキラした瞳で正面まで回って笑顔で挨拶してくれる子供達がとてつもなく可愛かったです。

 

他人を思いやる余裕、家族を大切にして行くこと、どんな状況でも大切なことだと思わされた訪問でした。

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