ユウキです。
妻が休息中なのでさっそく書いてみます、値切りの極意。
この日のハイライト
値切りの極意
ポイントとなるのは以下の点。
1.最初の店で絶対に買わない。
→周りの店と比較して相場を知ってから勝負に出るべし。
よく勘違いされるが、交渉は話術ではない。
ベースは準備8割に基づく、根拠・正当性の勝負である。
自分の主張に正当性を見出せるよう、素材を用意しておくことが大事だ。
2.相手が初期に提示した金額では買わない。
→最初は必ずと言って良いほどボッタクろうとしてくる。
悪気があるわけじゃなく、そういうものなのだ。
そもそもあっちも、「最初に提示した金額で買う人はほとんどいない」と思っている。
「これで買ってくれたらラッキー」くらいに思っているので、断ることまでは予定調和の流れなのだ。
そして、2回目に提示してきた額がいわゆる「強気の額」になるが、経験から言うとこれも90%以上の確率でまだ値切れる。
相撲をイメージするとわかりやすい。本番の試合はすぐには始まらないのだ。
3.値切りやすい環境作り
→結論から言うと、最初に金額を提示してきた時に、「微笑む」ことがポイント。
前述した通り、売る側は当然のごとくボッタクろうとジャブを打ってくる。
例えるなら、サッカーで試合開始直後にハーフラインからシュートを打つくらいの本気度、つまり「まず入らないだろうけど入ればラッキー」くらいの気持ちなのである。
それを真顔でスライディングしてセーブしたのではこっちもメンツが立たない。
余裕でキャッチして爽やかな笑顔で「なかなかやるね」と余裕を見せる。
そういう、「余裕の笑み」なのであって、決して「嘲笑い」や「爆笑」してはいけない。
また反対に、真顔や、鬼気迫る表情で交渉するのも、相手にプレッシャーを与えてしまう。
「微笑み」以外のテクニックとしては、後述するが、「共通点を増やす」というのが有効だ。
人の関係の親密度は会話の数によって決まると言っても過言ではない。
相手のことを知り、自分のことを知ってもらう。
その中で、「共通点」が多ければ多いほど、「親近感」を感じてもらえるだろう。
「親近感」が強ければ強いほど、「この人に協力してあげたい」と思うはずだ。
以上のように、「値切りやすい雰囲気」あるいは、「この人になら値切ってもいいかな」という空気作りが大事だ。
4. 費用対効果を考えて早めに購入する。(効率よく買いたい人向け)
→ある程度までいくと、値段の下り方が緩やかになる。
そこからさらに落とせる可能性があっても、所要時間に対して、数十円程度しか変わらないなら、早々に購入して次に行った方が時間のロスが少ない。
「値切り」というのは、実に奥が深いものである。
日本ではあまり馴染みのない、この感覚に夢中になってしまい「値切ること」自体が目的になってしまわないように時間管理も大事である。
例えば、1000円のTシャツを500円→300円→280円と、3段階に分けて値切ったとしよう。
それぞれの段階で値切りに要した「所要時間」が10分ずつだったとして、「費用対効果」が徐々に減少しているのにお気づきだろうか。
1000円→500円の「値切り」は「10分で500円」の価値があり、500円→300円の「値切り」は「10分で200円」の価値がある。
そして、300円→280円の「値切り」ではなんと「10分で20円」の価値しか生み出していない。
「値切り」に夢中になると、この事実に気付きにくく、「値切れたこと」自体に満足感を感じてしまう。
しかし後になって考えると、「あの数十円のために時間を無駄にした」と後悔することも少なくない。
ゆえに、「安ければ安いほどいい」ではなく、「日本で買った場合の金額と労力」と比較して、落とし所を設定しておくことも大事だ。
加えて、海外旅行では「時間」というのも限られた通貨なのだ。
既に自分が納得できる範囲まで値段が下がっているなら、そこからは「時間」という通貨を残した方が効率的かもしれない。
いや、とにかく値切れるとこまで値切りたい!という人向けへのアドバイス
→ようこそ「こちら側」へ。あなたは僕と仲間です。笑
最初に断っておくが、上の項目でも説明した通り、「費用対効果」を考えるなら「最低金額まで値切る」というのは非常に効率が悪い。
そのため、「商品自体が欲しい」というよりは「値切りのエピソード」という土産話が欲しい、もしく「交渉自体を楽しみたい」、というのが主な目的となってくる。
ある程度まで、値段の提示のし合いを続けると、だいたい4,5回目くらいで相手が「これ以上は無理。やっぱりこの金額で買って。」と、直前と同じ金額を提示し直してくるようになる。
これがいわゆる「天井」の価格に見えるのだが、勝負師の勝負はこの「天井」を壊すこと自体に価値がある。
金額の再提示の際に、おそらく売る側があれこれ理屈をこねて正当性を主張してくるだろうが、これは全く聞く必要がない。
ただし、理由は後述するが「聞いているフリ」は非常に重要なので、うんうんと頷こう。
基本的に、「交渉」と「政治」は似ている。
嘘も方便の世界というか、必ず「本音と建前」が存在するのだ。
なので、相手の言ったことを鵜呑みにして、「そうか、これはそんなに良い布なのか」とか「そうか、これはそんなに大変な思いをして手作りしてるのか」などと思っては、ただのカモである。
実際、あえて「ハンドメイドっぽい」荒さを残した大量生産の商品も多数出回っている。
あっちも商品を売るために必死なので、そこは「なんてひどいことをするんだ」などと思ってはいけない。
日本とは台所事情が違うなかで、彼らも好きでそんなことをしているわけではない。
話は逸れたが、ここからは「屁理屈のこねあい」「正当性の主張合戦」の世界だ。
とにかく手持ちのカードの数が重要になってくる。
・比較論 (他の店はいくらだった)
・物理的主張 (自分は〇〇円しか持ってないので、物理的にそれ以上は出せない)
・数的根拠 (2つ買ったらもっと利益が出るはずだから一つあたりの値段を負けてくれ)
・たらればの活用 (〇〇(色や素材など)だったらその値段でいいけど、そうじゃないからXX円にして)
などなど
そして、手持ちのカードを使い切った後の、最後の一押し。
その方法は「人情で落とす」というもの。
ここはB to Bのビジネスではなく、一個人同士、人間同士の勝負の場なのだ。
結局、「この人にはおまけしてあげたい」と思わせることがカギなのであって、その布石として入店時から「親しみやすい人柄」をPRするのもこのために他ならない。
具体的には、
・その国や街、人々、その売り子さんを褒める
→「カンボジアは活気があって良い」「シェムリアップはとてもおしゃれだ」「カンボジア人はみんな親切だ」「あなたのその髪型素敵ですね」など。
(服など売り物自体を褒めるとセールストークが始まり、敵に塩を送ることになるので、明らかに売り物でないものを褒める)
自分や身内を褒められて嫌な人はいない。
ただし、「インド人はみんな正直者ですね」など、現地の人ですらそう思っていない見え透いた嘘は逆効果なのでやめよう。
大なり小なり、自分が本当にそう思っていることを言うのが良いと思う。
普段の旅の中で、現地の長所を探すことを習慣にしよう。
すると、こういうところに実益として還元される。
・自分の身の上話に同情してもらう
→「昨日、服にソースをこぼしちゃって明日着る分の服がないんだ」「僕はその金額でもいいんだけど、それだと奥さんに怒られちゃうよ〜笑」「昨日ここに着いたばかりなんだけど、初日に高額でぼったくられて嫌な思いをして、大丈夫そうなあなたの店に来た」など。
「可哀想」とまで思わせる必要はないが、「おやまぁ、それは困ったね」「助けてあげたい」くらいに思わせられたら上出来。
この時に嘘をつけばいくらでもそういう話を創作できるだろうが、嘘は良くない。
というよりほとんどの場合、嘘をついてまで値切る価値のあるものに出会わないというのが本音だ。
たかが、数百円、せいぜい数千円の品物のために、あなたの良心を傷つける必要はない。
そもそも旅というものは苦労がつきものなので、ちゃんとアンテナを張っていれば同情に足るエピソードは意外とたくさん見つかるものである。
・共通点や相手の好感ポイントを探すために、世間話をする
→たまに、交渉の途中で「あなたどこの国の人?」と聞かれることがある。
相手からすれば、この質問の意図は「お財布の中身の確認」と「純粋な興味」が半々くらいだろう。
「日本人」と言うと、好感を持たれることが多い。(ソフトパワーやODAの影響で)
ただし、日本人=金持ちと思われているのも事実なので、そういう意味でも「浮かれた日本人」ではなく、「旅慣れた日本人」を演出することが大事になる。
だからと言って、「中国人」とか嘘をつくのはやめよう。
売り子さんは簡単な言葉ならマルチリンガルというパターンが結構あるので、相手が中国語を話せることも少なくない。
その時にこっちが「?」となってしまっては、不信感を与え、すべてが水の泡になる。
「あなた本当に日本人?」「日本人っぽくないね。」「日本人は普段交渉しないよ。」などと言わせれば勝利の日は近い。
あなたは強者の認定を受けたのだ。
話は戻るが、「日本」という言葉に反応してきたら「日本に行ったことある?」と聞いてみよう。
たいていは「No」だが、日本は「いつか行ってみたい夢の国(だけど高いから行けない)」というパターンが多いので、マンガやらODAやら桜やら何かしら話題が広がる。
仮に「Yes」だったとしても話題は広がる。「日本のどこに行ったの?どんなことしたの?」など、共通点を探すのだ。
何れにしても「日本トーク」という、いわばこっちのホームグラウンドに持ち込んだならあとは楽勝である。
「日本にはこんなところがある」「僕の地元はこんなところだ」「日本では今これが人気だ(料理やマンガなど)」など、相手にとって有益な情報を、できればSNSの写真など交えて話してあげよう。
これは彼らからしたら、楽しいばかりでなく、地元の友人には「自慢話」として、次に来た日本人の客に対しては「アイスブレイク」として、実用的な話題として非常にメリットがある。
相手が楽しんで笑顔になってくれた頃合いを見計らって、「えっと、ところでこのTシャツだけど、〇〇円でいいよね?ノープロブレムでしょ?」と笑顔でクロージングする。
この際に、可愛い子供が親に「おねだり」するようなあどけなさ、あざとさ、憎めなさ、が演出できたら満点、もう僕があなたに伝授できることは何もない。
「値切り」を通じて、ローカルの人と繋がる「値切り道」をさらに極め、免許皆伝を目指して欲しいと思う。
おあとがよろしいようで。
つづく
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